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橋本 和幸; 大森 巍*
Technetium, Rhenium and Other Metals in Chemistry and Nuclear Medicine, p.325 - 328, 1999/00
核医学の分野で幅広く用いられているテクネチウムは安定同位体が存在しない元素であるために、その化学的知見が限られている。テクネチウムの最も安定な化学種である過テクネチウム酸イオン(TcO)とチオ尿素の反応によって生成するTc(III)-チオ尿素錯体は、3価のTc錯体合成のための出発物質として応用されている。本研究では、TcOと5種類のチオ尿素誘導体(チオ尿素、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素及びテトラメチルチオ尿素)との錯形成反応を可視スペクトルの時間変化を追跡することにより、速度論的に解析した。その結果、2段階の反応が観察され、それぞれの反応の速度定数を求めた。さらに、反応機構及び反応速度に対するチオ尿素誘導体の置換基効果について検討した。
加藤 敏郎*; 緒方 良至*; 原田 秀郎*; 中村 詔司*; 関根 俊明; 初川 雄一
Global 1995,Int. Conf. on Evaluation of Emerging Nuclear Fuel Cycle Systems, 2, p.1552 - 1559, 1995/00
長寿命の核分裂生成物の消滅に関する基礎データとして、著者らがこれまでに行った中性子捕獲断面積測定実験の方法と結果をまとめた。対象核種はCs、Sr、Tc、Iである。放射化学的方法によってターゲット核種及び生成核種の原子数を求め、断面積を決定した。原子炉中性子照射では、ターゲットをカドミウム箔でカバーした場合と、しない場合の両方を行い、熱中性子断面積と共鳴積分を求めた。
橋本 和幸; 大森 巍*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Letters, 188(6), p.391 - 400, 1994/00
過テクネチウム酸イオン(TcO)とチオ尿素の反応によって生成するテクネチウム(III)-チオ尿素錯体は、テクネチウム(III)錯体合成の出発物質として応用されている。本研究ではテクネチウム(III)-チオ尿素錯体の生成反応について、可視スペクトルを追跡することにより、速度論的に解析した。その結果、2つの反応(初期反応および後期反応)が観測され、それぞれの反応の見かけの速度定数を求めた。それぞれの速度定数は、チオ尿素濃度の2次に比例していることがわかり、それぞれの反応の律速段階は、Tc(VII)からTc(V)およびTc(III)の還元反応であると結論された。
橋本 和幸; 工藤 博司; 大森 巍*; 吉原 賢二*
Radiochimica Acta, 63, p.167 - 171, 1993/00
テクネチウム(III)錯体は一般に置換不活性と考えられているが、テクネチウム(III)-チオ尿素錯体はテクネチウム(II)錯体合成の出発物質として用いられており、その反応機構の解明はテクネチウム(III)錯体の反応性の理解につながる。そこで本研究では、チオ尿素誘導体のテクネチウム錯体とピリミジン誘導体との反応について溶媒抽出法によって調べた。その結果、抽出挙動はそれぞれ(チオ尿素およびピリミジン)の置換基に大きく依存していることが認められた。さらに反応機構を解明し、その反応速度定数を求め系統性を明らかにした。